2009年11月14日土曜日

ピアノ

職場の方からのお誘いで、行ってきました。
軽やかなピアノの音と
ユニークな奈良さんのパフォーマンス

詩の持つぽっと飛んでいく瞬間がおもしろかったです。

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奈良ゆみ ソプラノ リサイタル『二つの愛』 ―― 沖縄の歌 フランスの歌 ――
ピアノ:寺嶋陸也     
フルート:神里多希

○ガブリエル・フォーレ:秋の歌/牢屋/この世  
○モーリス・ラヴェル:「シェエラザード」より 魔法の笛 
○オリヴィエ・メシアン: 「ミのための詩」より 4曲
○エリック・サティ:あなたがほしいの  
○与那国島民謡:どなんスンカニー
○金井喜久子:東西東西/与那国の子猫/てぃさぐぬ花
○新垣 雄:歌曲集「戦後のふるさと」より 2曲  
○ルノワール:聞かせてよ愛の言葉を
○コスマ:枯葉 
○モノ:愛の賛歌



二つの愛 ー沖縄の歌 フランスの歌ー

このテーマは、私が愛する二つの心の故郷、
優しく私の魂を育んでくれた二つの愛する土地と云う意味を含んでいます。
歌を志して音大を卒業したとき、これからどうして歌って行けばよいものやら、、、
途方に暮れて立ちすくんでいた私を、フランスは優しく受け入れてくれました。
途端に子供のように元気になって、体中からはエメラルドのアンテナが芽生えて来て、
今日までずっと幸せに歌い続けて来ることができました。
 
 1993年の秋深くに最愛の母が亡くなり、
私は悲しみで破裂してしまいそうな心を抱いて沖縄に行きました。
初めて見る沖縄の海、、、その夜は満月で引き潮でした。
遠くまで引いた海を月が照らしていました。
何処からか母が小舟にでも乗って現われないものかとしばらく目を凝らしていました。
もう苦しくてじっとしていられず、月明かりの浜辺を駆け回り、とうとう踊り狂いました。
そうするうちに疲れ果て砂に伏せましたが、起き上がったときに解ったのです。
もうこの世界中のどんな砂粒の間を、たとえ何処まで探しに出かけても、
地球上の全ての深い森の中の葉っぱの蔭を一枚一枚めくって探し歩いても、
もう何処にも母は居ない、二度と逢えないのだ、、、
でも、母は私の中に今生きている!私の生きるとき母の生命も輝く!
それ以来沖縄は私の心の揺り籠となりました。
 
のちに那覇の路上で出会った詩人、
にしざとたかしさんの言葉が、いつも静かに心に響いています。
 
 はる なつ あき ふゆ いのちゆれ しずもるとき いのちだいすき


                                  奈良ゆみ 

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