また、本日付けの沖縄タイムス「唐獅子」に
ーアートを通した会話ー というタイトルで掲載されています。
どうぞこちらもよろしくお願いします。
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暖かな陽の光を受け、紫、黄色、白のお花が色を爆発させている。
元気に育ったグリーンのハーブが茂る畑。
その側にある親戚の家のような喫茶店。
玄関を開けると「めんそーれー」と元気なオーナーの声が聞こえてくる。
南風原町津嘉山にある「喫茶やさい畑」。私はここのお店がすごく好きだ。
出てくるお料理もとてもいい。お野菜の味が染みた野菜汁は
一口すすると身体にじわっと染みる。
煮物や野菜炒めも野菜の味がよく出て優しくて、
口に含むとおいしくて笑ってしまう。
さくっとした野菜天ぷら、もちっとした紫色のいもくず天ぷら。
料理を口にする度、つくっている人の料理への愛情がすごく感じられる。
テーブルの上にのっかっている目の前の料理は、
お店の愛情で、それをまるごといただいているんだなあと感じる。
いろんな人がテーブルをかこんでお話をする。
オーナーとお客さんの会話がテーブルを飛び越えて聞こえてくる。
ここの味はここでしか食べられない。
ここの雰囲気はここにいる人にしか出せない。
そんな場所で「いのちの森 やんばる写真展」が先日まで開かれていた。
やんばるの自然を守る活動をしている「やんばるDONぐりーず」による展覧会だ。
美しい森とそこにすむ生き物たち。
そして、森林伐採が行われている現実。
私は、この展覧会がこの場所で開催されたことに必然性を感じている。
いい場所もすばらしい森も、人が必要とすることで存在し続けるものだと思うから。
森は本来、人間の好き勝手で変えられるものではなかったはず。
でも、放っておいたら、いつの間にか
「かつてはいのちの森だった場所」になってしまう可能性があるのだと知った。
おいしいご飯が食べられるお店と貴重な生き物が棲む森。
大切にする気持ちが同じくらい近いものになれば、
森は森として存在することができるのではないだろうかと思った。
前回も書いたが、建てる、造るのノウハウを「守る」方向へと転換できるはず。
自然界に入り込んで開発するのではなく、
今ある土地の中で生活を循環させていく知恵を身につけていくことがきっとできる。
ここに存在する一人として、何を必要とするのか、いま一度考え、意思表示していきたい。